辞めたその後…

mahora

2008年05月28日 10:56

城 繁幸3年で辞めた若者はどこへ行ったのか-アウトサイダーの時代」ちくま新書

平成生まれの成人が登場する現代、世界はますます混沌とし、平和と繁栄は遠のくばかり。
未曾有の少子高齢化社会を迎える、極東アジアの小国に至っては、国民総ネガティブ思考で、麗しい才色兼備のフリーアナウンサーまで、自死してしまう。

あぁ! 若者よ! もっと未来に希望を持とうよ! とゲキを飛ばすのは簡単だけど、その希望はどこにあるの? と問われれば、かえす言葉がありません。

著者は昭和的価値観に縛られ、既存システムの維持に必死になり、既得権のうえにあぐらをかき、真の実力主義におびえる人びとを痛烈に批判しています。
その典型として、新聞、テレビ、雑誌などのメディアを挙げ、日本のメディアは世界一レベルが低い! と切って捨てています。(非常に説得力があります)

そして、自らの意思で、これまでの日本型システムのレールから下り、新しい平成的価値観を創造し、行動し始めた若者たちをとり上げ、温かいまなざしでエールを送っています。
著者自身が、73年生まれのロスジェネ世代ですが、いつの時代も、未来の扉を開くのはやはり若者たちです。