目頭が熱く……
昨夜の例会は、
アフリカ映画では初めて、アカデミー賞外国映画賞を受賞した「
ツォツィ」だった。
正直、この映画を観るのは気が進まずパスしようか……と直前まで迷った。
アパルトヘイト・貧困・ストリートチルドレン・エイズなど、世界の繁栄と平和から完全に吹っ切られ、この世の不条理、すべてが集中しているアフリカの現実と対峙することが、すごく気が重かったからだ。
人間の業と欲の犠牲者で、ひたすら搾取されるだけの悲しみと憎しみの前では、きれい事のヒューマニズムなど、とても太刀打ちできない!
…でも最後の最後まで、引き込まれて観てしまった!
何といっても、主人公のツォツィ(デビット)の
プレスリー・チュエニヤハエの演技力がすごいです。
感情を押し殺した冷徹な不良少年から、逡巡しながらも悲惨な過去と向き合い、温かい人間の心を取り戻すまでの、揺れ動く
少年の心を見事に演じている。
ラストシーンでは、思わず
目頭が熱くなります。
この子は悪くない! この子には絶対、幸せになって欲しい! と叫ばずにはいられなくなります。
また、
ホテルルワンダ同様、音楽が素晴らしい。
アフリカの力強さ、神々しいほどの素直な響きが、美しい映像にいざないます。
少年による殺人シーンがあると言う理由で、
映倫から
R-15指定を受けたけど、TVのサスペンス劇場の方がよっぽど過激です。
ツォツィの公式サイトから、このR-15指定の是非に関するアンケート投票ができます。