2009年06月02日

容赦ない!恋愛の格差

村上龍「恋愛の格差」青春出版社 (または幻冬舎文庫

今から7年も前に出された若者向け雑誌のエッセー集をまとめたもの。
小説だけに留まらず、経済社会問題とフィールドワークが広い著者だけあって、若い男女の出逢い、恋愛、結婚から現代日本の容赦ない格差社会の実態を浮き上がらせています。

非婚化あるいは晩婚化は、結婚できない男と結婚しない女が原因だと思っていたけど、ここで初めて「結婚しなければ生きていけない女」と言うフレーズが出てきた。

男はいい大学に入って大企業や官庁に就職し、女は大企業や官庁に勤める男と結婚して子どもを産み幸福を得る、というロールモデルが崩壊する、と断言しています。
この文章は1999年に書かれているから、現在は事実、この予測通りに完全に崩壊しています。

男に依存しなければ生活していけない女は、自分の運命を他人に託すことになる。
賢明な女は、男を選べるようなポジションを得たいと思うだろう。
それは生活費を自分で稼ぐことができるかどうかにかかっている。
結婚しなければ生活していけない女は、これからの社会では多大なリスクを負う。

それぞれが依存するのではなく、きちんと自立した大人の男女だけが恋愛できる、と言うことか……


  


Posted by mahora at 14:38Comments(0)