2009年04月30日

道を拓き、示す者たち

村上龍「無趣味のすすめ」幻冬舎。
時代を走り続け、常に第一線で活躍している作家の箴言集。
大きな文字、広い地の余白、書籍用紙にしては白過ぎる紙。
んっ?何でだ?

趣味は老人のものであると断言している著者は、既得権益に守られ、心地よいコミュニティから抜け出そうとしない、老人に向けているのだろうか?
それとも、希望を見失い、絶望することにすら気力をなくしている、活字離れ著しい若者に向けているのだろうか?

小説の執筆は実に憂鬱で地道な作業である…と著者はいう。

偏執狂のように、余分な文章をそぎ落とし、足りないシーンや文や言葉を書き足していくという、地味といえばこれほど地味なものはない、ということをえんえんと繰り返すのが「小説の執筆」だ。
その結果、文章全体の正確さがあるレベルに達すると、物語の力を増幅させて、読者にある種の依存を生じさせるような「強制力」を獲得することができる。
うまい文章、華麗な文章、品のある文章、そんなものはない。
正確で簡潔な文章という理想があるだけだ。
ビジネスにおける文章より

一日の終わり…枕元へ置いて読んでみるにはお薦めします。
道を拓き、示す者たち




Posted by mahora at 14:34│Comments(0)
 
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