2007年08月22日

目頭が熱く……

昨夜の例会は、アフリカ映画では初めて、アカデミー賞外国映画賞を受賞した「ツォツィ」だった。

正直、この映画を観るのは気が進まずパスしようか……と直前まで迷った。

アパルトヘイト・貧困・ストリートチルドレン・エイズなど、世界の繁栄と平和から完全に吹っ切られ、この世の不条理、すべてが集中しているアフリカの現実と対峙することが、すごく気が重かったからだ。

人間の業と欲の犠牲者で、ひたすら搾取されるだけの悲しみと憎しみの前では、きれい事のヒューマニズムなど、とても太刀打ちできない!

…でも最後の最後まで、引き込まれて観てしまった!

何といっても、主人公のツォツィ(デビット)のプレスリー・チュエニヤハエの演技力がすごいです。
感情を押し殺した冷徹な不良少年から、逡巡しながらも悲惨な過去と向き合い、温かい人間の心を取り戻すまでの、揺れ動く少年の心を見事に演じている。

ラストシーンでは、思わず目頭が熱くなります。icon11
この子は悪くない! この子には絶対、幸せになって欲しい! と叫ばずにはいられなくなります。

また、ホテルルワンダ同様、音楽が素晴らしい。
アフリカの力強さ、神々しいほどの素直な響きが、美しい映像にいざないます。

少年による殺人シーンがあると言う理由で、映倫からR-15指定を受けたけど、TVのサスペンス劇場の方がよっぽど過激です。
ツォツィの公式サイトから、このR-15指定の是非に関するアンケート投票ができます。目頭が熱く……



Posted by mahora at 15:26│Comments(2)
 

この記事へのコメント

ども こんにちは

この映画を観るとはなかなか渋い例会ですね。
決して茶化してる訳ではありません
この映画を観たあと、意見交換会とかやるんですか?
ワタシは「ホテルルワンダ」も未見です。観てみたい。

確かにテレビドラマの野放しには目に余るモノが
ありますよね。
Posted by kobay at 2007年08月22日 16:50
kobayさん、コメントありがとうございます。
シネコン全盛の現代、当市には映画館は1つしかなく、しかもかなりレトロです。
そんな中、このクラブは映画好きな人が、少しでもいい映画を地元で観たい! と言う願いから26年前に設立。
月1,500円会費で、アンケートとフィルム配給の可否のバランスを取りながら作品を決め、月に1回の自主上映をしています。

先に立つ運営委員さんもボランティアで、こうした人の情熱と努力が、地下水脈のように流れ、現在に繋がっています。
観終わった後は、アンケート用紙に感想を書き込み、翌月の例会のプレスの中で紹介してくれます。

ホテル・ルワンダもネットから火がつき、日本での公開が実現し、DVD発売にまで至った作品です。
ラストで流れる「MILLION VOICES」は名曲ですよ。
CD買っちゃいましたぁ~!
Posted by mahora at 2007年08月23日 15:17
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