2007年09月05日

希望学

時代が流れ、社会も変われば、学問の世界も変わる。
以前は考えも及ばなかったことを、まじめに研究する学者も出てくる。

私が今、気になっているのが、東大社会科学研究所の玄田有史の「希望学」です。
若年労働問題のエキスパートで、著書やTV出演も多く、ご存知の方もいると思う。

希望を社会科学する! を枕詞に、2年前から社会や個人の中における、「希望」について、地道な調査を続けている。
労働経済学が専門の学者さんなので、著書全般に、仕事希望との関係性について書いている。

2001年に出た「仕事のなかの曖昧な不安 揺れる若年の現在」(中央公論新社)では、若年失業者ニート・フリーターについて、バブル崩壊後の失われた10年の中で、中高年の雇用を守るため新規採用を抑えた結果、大量に生み出されたもので、中高年雇用のための犠牲者、として位置づけた。

リストラと言えば、中高年の問題だと思っていたので、詳細なデータから導き出されたこの結論に、ちょっと驚いた。

将来に対する不安材料ばかりが喧伝される今、若者が希望を持ちにくくなっている事は認める。

ただ、さまざまな調査データから、最初から希望通りにいかない人でも、挫折と失敗を繰り返しながら、途中で希望を上手に軌道修正できた人ほど、現在に満足し、自分の存在意義を実感している…と言う結果は興味深かった。

そして、子どものころ親に期待されていた人ほど希望を持ちやすく、モチベーションが衰えない、と言う調査結果も出ている。

希望を持つことは、自己肯定感と直結していると思う。希望学



Posted by mahora at 17:30│Comments(0)
 
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