2008年02月16日
集団不登校の真実
厳寒の如月は読書に限る。
村上龍「希望の国のエクソダス」文春文庫
政治も経済もすべてが停滞した2002年の日本で、80万人の中学生が集団不登校を始める。
やがて彼らは、インターネットを使って世界的な巨大ネットワークを構築し、ビジネスを展開する。
所詮子どもの集団ヒステリーと高をくくっていた大人を尻目に、そのネットワークASUNAROは強大になり、社会も無視できない存在に成長してしまう。
中学生たちは、ネットビジネスで集めた莫大な資金を元に、社会システムそのものを根底から変えてしまう、新しい事業を次々と起こし、成功させていく。
そのビジネスの前に、世界中の名だたる企業や大人が跪き、更なる資金と事業が循環する。
そして、北海道に理想郷を建設し、日本を棄て、エクソダス=大量国外脱出してしまう…と言う、近未来ファンタジー小説です。
ASUNAROの代表、ポンちゃんが国会で演説します。
「この国には何でもある。本当にいろいろなものがあります。だが、希望だけがない!」
2000年の発刊当時、有名になった言葉だ。
物語は2008年、つまり今年の秋で終わっているのですが、描かれている日本の社会や経済状況が、現実に近づいているような気がする。
「昔はよかった!」「昔は楽しかった!」と100万回言われても、その昔を知らない、生まれた時からバブル崩壊で、不況しか知らない世代には、三丁目の夕陽の美しさも分からないし、貧しくても一体感があり、明日はきっと良いことがある、と言う昂揚した気持ちなど理解できないわけです。
懐古趣味と老後の年金だけを心配して、グチと泣き言ばかりの大人だったら、どんな若者だって国を棄てたくなるよね。
村上龍「希望の国のエクソダス」文春文庫
政治も経済もすべてが停滞した2002年の日本で、80万人の中学生が集団不登校を始める。
やがて彼らは、インターネットを使って世界的な巨大ネットワークを構築し、ビジネスを展開する。
所詮子どもの集団ヒステリーと高をくくっていた大人を尻目に、そのネットワークASUNAROは強大になり、社会も無視できない存在に成長してしまう。
中学生たちは、ネットビジネスで集めた莫大な資金を元に、社会システムそのものを根底から変えてしまう、新しい事業を次々と起こし、成功させていく。
そのビジネスの前に、世界中の名だたる企業や大人が跪き、更なる資金と事業が循環する。
そして、北海道に理想郷を建設し、日本を棄て、エクソダス=大量国外脱出してしまう…と言う、近未来ファンタジー小説です。
ASUNAROの代表、ポンちゃんが国会で演説します。
「この国には何でもある。本当にいろいろなものがあります。だが、希望だけがない!」
2000年の発刊当時、有名になった言葉だ。
物語は2008年、つまり今年の秋で終わっているのですが、描かれている日本の社会や経済状況が、現実に近づいているような気がする。
「昔はよかった!」「昔は楽しかった!」と100万回言われても、その昔を知らない、生まれた時からバブル崩壊で、不況しか知らない世代には、三丁目の夕陽の美しさも分からないし、貧しくても一体感があり、明日はきっと良いことがある、と言う昂揚した気持ちなど理解できないわけです。
懐古趣味と老後の年金だけを心配して、グチと泣き言ばかりの大人だったら、どんな若者だって国を棄てたくなるよね。

Posted by mahora at 16:07│Comments(0)