2007年08月06日

敗北を抱きしめて

今日は広島原爆の日
62年前の日本の敗戦を決定的にし、9日の長崎、15日の終戦へと繋がる悲惨な出来事です。

一昨年、岩波書店から出版された「敗北を抱きしめて・第二次大戦後の日本人・上下巻ジョン・ダワー著は、戦後生まれの日本人だったら是非読んでほしい一冊です。

増補版は1冊2,730円と高額ですが、貴重な写真が多数掲載され、アメリカ人の視点から、敗戦後の日本人と戦争責任について書かれている点が異色です。

多分、日本人だったら身内の恥をさらすような、書けなかっただろうと思うところまで、鋭く切り込んでいます。

負けた時、死者になんと言えばいいのか? 
戦争責任、罪、懺悔、贖罪といった問題をなんとか呑みこもうとしていた大半の日本人にとって、心を占める問題はそれだった……

勝った側では戦ったすべての男が英雄となり、勝利した戦いでは最悪の犠牲もむだにはならなかった。
勝利は悲嘆にある程度の折り合いをつけさせてくれる。

しかし敗北は、親族の、知合いの、もっと広く同胞たちの戦死の意味を、剥きだしのままひりひりとそこに残した。

(16章 負けたとき、死者になんと言えばいいのか?)

太平洋戦争は知っていても、日本がアメリカと戦争をしたことを知らない若者がいると聞いて、カルチャーショックを受けた!

モーレツに暑い夏に、大汗をかきながら活字を追えば、必ずや身体の中心にドスンと響くものがあります。
読みごたえ十分! 
★5以上でお勧めします。  


Posted by mahora at 11:31Comments(2)